みんなに知ってほしい|抗生剤は安易に飲んでは行けない!

薬剤耐性AMR

抗菌薬・抗生物質の恐ろしさ

先日、AST(抗菌薬適正使用支援チーム:Antimicrobial Stewardship Team)について勉強会に参加してきました。

抗菌剤(抗生物質と同意と思ってください)の開発はこれまで長い歴史があります。

ペニシリン(1943年)
テトラサイクリン(1950年)
エリスロマイシン(1953年)
メチシリン(1960年)
バンコマイシン(1972年)

など・・・

しかし、それらには全て「耐性菌」が見つかっています。

最近ではセフタロリン(2010年)という抗菌薬も発売されていますが、翌年の2011年にはセフタロリン耐性ぶどう球菌が見つかっています。

要するに、抗菌薬を作っても、すぐに耐性菌が作られる

という事なのです。

耐性菌が身体に常駐すると、抗生物質が効かなくなります。
つまり、安易に抗菌薬を使っていると、耐性菌が身体に常駐してしまうリスクをはらんでいるのです。

薬剤耐性の事をAMRと言い、最近病院内でもポスターを目にします。



薬剤耐性菌でヒトは死ぬのか?

2013年のデータになりますが、世界の死亡数の推定のデータがあります。

破傷風:6万人
交通事故:120万人
麻疹:13万人
下痢性疾患:140万人
糖尿病:150万人
コレラ:12万人
ガン:820万人

そして、薬剤耐性菌が原因で死亡した人:70万人
なのです。

このまま薬剤耐性に対して何もアクションをしない場合・・・
2050年には1000万人が薬剤耐性菌により死亡すると推定されています。

今、世界で広がっている動きは「One Health」という動き。
薬剤耐性というと、ヒトだけ・・・と思いますよね?

実は、ヒトには3割の抗菌薬
動物(主に家畜)には6割の抗菌薬
残りは環境(野菜など)に使用されています。

畜産業では、感染症の治療のみならず、発育促進の目的で飼料に抗菌薬を混ぜて用いる場合もあります。
中国・アメリカ・ブラジルでの使用料がもっとも多いそうです。

動物の身体で耐性菌が作られると、それを摂取した人間の身体に耐性菌が入ることになります。

オランダでは畜産業関係者にブタ由来のMRSA(メチシリン耐性黄色ぶどう球菌)が広がった報告があります。

こうした動き(抗菌薬を積極的に使う事)を抑えようという動きが世界で広がっています。

 

突然ですが、質問です。

①風邪に抗生物質は効く?

②インフルエンザに抗生物質は効く?

③抗生物質は副作用が無い?

全て×(バツ)です。

風邪の原因はほとんどがウイルスです。
ウイルスに抗生物質は効きません。

つまり・・・

風邪を引いた→抗生物質が処方された

という流れは間違えという事です。

長い間、「風邪をひいたら抗生剤を飲むべきだ(そうすると早く治る)」と考えられており、医師でさえ「治ったなら出しておこう」と処方されることもあります。

風邪(感冒)はクスリではなく、自己免疫力によって治癒します。
症状を緩和する薬(咳止め、鼻水止め、痛み止めなど)なら飲んでも良いかと思いますが、抗生物質は無駄に耐性菌を作るだけですので、止めた方が良いです。

病院で働いていると、他の医療施設で「メイアクト」や「セフゾン」「フロモックス」などの抗菌薬が処方されているケースを見ます。

特に、小児科の「メイアクト」は非常に多いと肌で感じます。

メイアクトは生物学的利用能(身体の中に吸収されて機能する率)が非常に低く、約14%です。

つまり、内服しても14%しか吸収されず、それ以外はウ○コになって出てくるだけです。
しかも、腸管を通るので正常な腸の菌を殺してしまいます。

その後、下痢をする患者さんもいます。

私が良く出会うケースは「子供が他の医療機関でクスリ(メイアクト)を処方されました」「3日間飲んでいますが一向に治りません」「下痢もしています」というケース。

効かないのに下痢ばかりする。
脱水のリスクがありますので、気を付けた方が良いです。

ただ、抗菌薬が必要な病気もあります。
抗菌薬の中には血液に吸収されやすい(効果のある)抗菌薬もあります。

この場合は、きちんと処方された分を最後まで飲みきることが必要です。

勝手な判断で「もう治ったから」と中途半端に飲むと菌が残るので、再発してしまいます。

それから、肉を食べるときは、十分に火を通す事が大事です。
火を通さずにで食べてしまうと耐性菌が身体に入ってしまいます。

耐性菌が気づかずに常駐すると、歳をとってから抗生剤が効かない身体になってしまいます。

新しい抗菌薬を作るには莫大なお金(約1000億円?)と期間(10年~20年)がかかるそうです。
抗菌薬を作ってもすぐに耐性菌が出来るので、効率は良くありません。

すぐに薬に頼りたくなる気持ちは分かりますが、自分たちの免疫力を高める方が安く安全だという事ですね。

 

ABOUTこの記事をかいた人

コーヒーと文房具が好きなアラフォー男子 愛用の手帳は『フランクリン・プランナー』 手帳のことを中心に書くつもりではじめたブログが、気づけばこんな形に・・・日常生活を中心に書いています。